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学部長メッセージ

理学部・理学研究科長 杉山 直

 理学は、自然の理(ことわり)を追求する学問であり、全ての理系学問の根幹を成しています。一分の隙もない論理に立脚する数学、広大な宇宙から微小な素粒子まで、自然に働く基本法則の理解に全てを捧げる物理学、物質の働きをとことん追求し、これまでにない新たな物質を作り出す化学、生命の神秘にDNAや細胞レベルから迫る生物学、私たちの住む環境を形作っている地球の理解を突き詰める地球科学、これら全ての学問に出会えるのが理学部になります。

 名古屋大学理学部は、1942年に名古屋帝国大学理工学部から分離し、すでにあった化学科と物理学科に生物学科と数学科が加わって誕生しました。1949年に、名古屋大学が新制大学として再出発の際には、理学部に地球科学科が設置され、現在の数理学科、物理学科、化学科、生命理学科、地球惑星科学科という5学科の体制が出来上がりました。一方、大学院については、地球科学は環境学研究科発足とともにそちらに移り、数学は多元数理科学研究科として独立したため、現在、理学研究科は、素粒子宇宙物理学専攻、物質理学専攻(物理系と化学系)、生命理学専攻に加えて、2016年に誕生した名古屋大学・エディンバラ大学国際連携理学専攻を加えた4つで構成されています。なお、国際連携理学専攻で学ぶと、名古屋大学とエディンバラ大学が共同で出す学位を受けることができます。ジョイント・ディグリーと呼ばれる仕組みで、理学では全国に先駆けて導入しました。

 さて、発足してすぐに終戦を迎え、灰燼に帰したかに見えた日本、そして名古屋にあって、物資こそありませんでしたが、名古屋大学理学部には全国から若き俊英たちが集い、世界的研究が花開きました。素粒子物理学の坂田昌一先生、宇宙線・宇宙物理学の早川幸男先生、天然物有機化学の平田義正先生、生物と物理学の境界領域を開拓した大沢文夫先生、代数学の中山正先生、地球水循環学の創始者である菅原健先生など、枚挙にいとまがありません。若い先生たちの熱気に煽られて、梁山泊のようになっていた名古屋大学理学部とその大学院には、ノーベル賞受賞者の益川敏英先生、小林誠先生、下村脩先生をはじめ、のちに世界をリードすることになる学生たちが数多く学んでいました。この伝統は今なお息づいています。名古屋大学理学部は、教員と学生が一丸となって、世界を驚かせる研究を生み出している場所なのです。

 研究だけではありません。理学部で学ぶと、しっかりとした学問の基礎が形作られます。この基礎は、生涯にわたって卒業生を支え、あらゆるところで応用が可能です。理学部そして理学研究科の卒業生・修了生は、基礎科学に関連する分野はもとより、IT関連、製造業、金融、公務員、さらには中高の教員(学科ごとに対応する理科や数学の教員免許が取得できます)など社会のあらゆる場面で活躍しています。

 自由闊達な学風の下、メンターとなる教員と学生ががっちりとタッグを組んで先人たちの輝かしい歴史を引き継ぎ、自然に潜む真理を追い求め、卒業生は社会のあらゆる場面で活躍する、それが名古屋大学理学部・大学院理学研究科です。これから大学進学、大学院進学を考えている皆さん、是非ともここで学び、一緒に自然の秘密を解き明かしていきませんか。