理学女子学生・女性卒業生からのメッセージ

女子高校生へのメッセージ

理学女子学生

施 文(SHI, Wen)【物理学】

大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 博士後期課程2年

こんにちは。私は今留学生として、素粒子宇宙物理学専攻で勉強と研究をしています。今後は大学院に進み、できればいっぱい頑張って、研究者として続けたいです。確かに、物理学はおそらく女子が最も少ない分野の1つでしょう。でも好きなら、そんなことは問題ないです。ここの人たちは皆、面白くて優しいですから、理学が好きなら進んでみたらいいと思います。そうやって、好きなことを続けることが、きっと一番幸せだと思います。

理学女性卒業生

伊藤 由佳理【数理学】

東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 教授

1992年 名古屋大学 理学部数学科 卒業
1994年 東京大学大学院 数理科学研究科数理科学専攻 修士課程 修了
1996年 東京大学大学院 数理科学研究科数理科学専攻 博士課程 修了

名古屋大学での学部時代、友人に誘われて参加した自主ゼミが楽しくて、そのまま数学の研究の道へ進みました。大学は自分の意思で自由に行動できるところです。名古屋大学は設備も先生方も素晴らしく、勉強も研究も課外活動も、あなたの意思次第でどんなことでもできます。多くの人と出会い、たくさんの経験を積んで、将来の夢を膨らませましょう。ぜひ、今できること、今しかできないことに挑戦してください!

木村 杏子【数理学】

静岡大学 理学部数学科 准教授

2004年 名古屋大学 理学部 数理学科 卒業
2006年 名古屋大学大学院 多元数理科学研究科 博士課程前期課程 修了
2009年 名古屋大学大学院 多元数理科学研究科 博士課程後期課程 修了

小さい頃から数学(算数も含む)が好きで、そのままこの道に進みました。仲間や先生に恵まれ、これまで続けることができました。学生時代には、将来を見据えながら自分の好きなことを見つけ、失敗を恐れずどんどん挑戦してください。名古屋大学にはそれをサポートしてくれる環境があります。

鈴木 咲衣【数理学】

東京工業大学 情報理工学院 数理計算科学系 准教授

2007年 名古屋大学 理学部 数理学科 卒業
2009年 京都大学大学院 理学研究科 数学・数理解析専攻 博士前期課程 修了
2012年 京都大学大学院 理学研究科 数学・数理解析専攻 博士後期課程 修了

名古屋大学で過ごした4年間はとても有意義でした。4年生では多元数理科学研究科の納谷信教授の指導の下、曲面の数学について学びました。当時部活で忙しくしていた私を、先生は数学だけでなく総合的にバックアップしてくださいました。それからずっと数学を志しています。大学の4年間はあっという間です。今しかできないことを思いっきり、時には周りに助けてもらいながら、一瞬一瞬をしっかりと見つめて駆け抜けてください。

片桐 奈緒【数理学】

アイシン・ソフトウェア株式会社 パワートレイン制御技術部 勤務

2008年 理学部 数理学科 卒業
2012年 大学院多元数理科学研究科 博士前期課程 修了

私は現在、車の主要部品である変速機を「どう動作させれば運転手が喜ぶ走りになるか」を考える制御仕様開発という仕事をしています。一見、数学とは無縁のように思えますが、変速機の新しい動作を考える時は数式を用い、複雑な動作を理解する時は数学を通して得た「複雑な物事を単純化し理解する力」が役立っています。数理学科で得られる力は社会に出てから役立つ場面が多く、本学科で学ぶことができて良かったと感じています。

田中 萌心【数理学】

2021年 理学部 数理学科 卒業

こんにちは。今日は私が数理学科でいいなと思う点を2つ述べます。まずは、勉強環境がよいことです。大学院生に気軽に質問できる環境があるので、勉強に遅れることなく学ぶことができます。2つ目は時間を有効に使えることです。2年生までは必修で大変ですが、3年生は選択が多いので、将来のための時間を確保することができます。そのおかげで、私は充実した大学生活を送れています。数学ができなくても興味があれば大丈夫です。私もそうなのですから。

都竹 華代【物理学】

株式会社河合楽器製作所 ShigeruKawaiピアノ研究所 勤務
2018年 大学院理学研究科 物質理学専攻(物理系)博士前期課程 修了

私は大学院で光合成初期過程の反応について理論的な研究をしてきました。現在は大好きなピアノの開発や基礎研究に携わっています。物理学科では物理学の楽しさを学べるだけではなく、物事の本質を探ろうとする姿勢、数学的な思考力、応用力、プレゼンテーション能力等が自然と鍛えられました。入社以降、木材・音響などの異分野に飛び込んで学ぶ毎日ですが、学生時代学んだことが、私の技術者としての土台になっています。

大森 有希子【物理学】

豊田工業高等専門学校 准教授

2006年 理学部 物理学科 卒業
2008年 大学院理学研究科 物質理学専攻(物理系)博士前期課程 修了
2011年 大学院理学研究科 物質理学専攻(物理系)博士後期課程 修了

もしあなたが今「女だから」という理由で理学部進学にひとかけらの躊躇いを持っているのであれば、その詳細が何であっても、「その心配をする必要はない」と断言します。人生の中で女性特有の課題は折々にやってきますが、それはどこに行っても同じです。大丈夫です。何とかなります。だからやりたいことをやりましょう。学ぶことは本当に楽しいです!

坂本 陽菜【物理学】

2022年 大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 博士前期課程 修了

名古屋大学理学部では、一年次に理科全般と数学の基礎を学ぶことが出来ます。理科が好き、という方なら充実した一年を送ることができます。‪また物理学科では、講義室で先生の話を聞く授業の他に実際手を動かして問題を解いてみるという時間があり、よりしっかりと基礎物理を身につけることができます。それから、研究室紹介として、最先端の研究について研究を行っている教授から聞くことが出来る授業もあり、とても楽しいです。

中西 裕子【化学】

株式会社資生堂 勤務

2002年 理学部 化学科 卒業
2004年 大学院理学研究科 物質理学専攻(化学系)博士前期課程 修了

私が現在仕事で向き合っている「美」というものは、正解がなく、多様性に満ちた、予測不可能な対象です。だからこそ、それを多様な人々と共に創造する仕事はとても面白いと感じています。この問いにみちた世界を楽しめるのも、大学・大学院時代に得た、解明されていない現象の真理の探究などを、様々なバックグラウンドをもつ研究者と経験できたことが大きいと思っています。自分が何に興味があるのか、どのように将来を生きていきたいのかを客観的に見つめられ、また、高校までの正解のある知を求めていたスタンスから、今の社会で求められている正解のない問いを発見し、その解につながる一歩を踏み出すことができる場所こそが、大学であり大学院だと思っています。

加藤 江莉佳【化学】

2022年 大学院理学研究科 物質理学専攻 博士前期課程 修了

私は高校生の時から化学と生物が好きでしたが、どちらの学問を詳しく学びたいのか悩んでいました。名古屋大学は学部一年時に理系科目全般を幅広く学ぶことができ、自分の興味がある分野について考えることができます。その授業を通して私は化学、特に有機化学について勉強したいと思い、化学科に進学しました。現在は有機化学研究室に配属され、最先端の研究をわくわくしながら行なっています。来年からは大学院に進学する予定です。

青木 沙也【生命理学】

文部科学省 勤務

2017年 大学院理学研究科 生命理学専攻 博士前期課程 修了

私は研究の土台となる自然科学の基礎を学びたいと考え、理学部へ入学しました。名古屋大学の理学部では、世界最先端の研究が各分野盛んに行われており、それらを身近に感じながら学ぶことができる環境は大変有意義でした。最先端の研究に触れていく中で、同時に日本の研究環境に課題が存在することも実感し、それらの改善を通した日本の研究力向上に貢献したいと考えるようになり、現在は文部科学省で勤務しています。

安濟 さらさ【生命理学】

2018年 名古屋大学 理学部 生命理学科 卒業
2020年 大学院理学研究科 生命理学専攻 博士前期課程 修了

私は「キノコ」に好奇心を駆られて大学院まで進みました。これは理学部の「変わったこと」を受け入れてくれる気質、例えば通学路の立派な毒キノコを研究室・事務に持ち込んでも楽しく話を聞いてくれるといった気質のおかげです。現在は念願だったキノコの基礎研究を新しく立ち上げて研究をしています。女の子でも周りを気にすることなく最新鋭の機械・技術を使って思いっきり研究ができる居心地の良い環境、それが理学部です。

田口 貴美子【地球惑星科学】

東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻 助教

2016年 名古屋大学 理学部 地球惑星科学科 卒業
2021年 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 博士後期課程 修了

私は火山活動が活発化する際に観測される地震(火山性地震)の研究を行い、学会や実習で国内外にも出向くなど高校生のときには想像もしなかった日々を送っています。地球惑星科学科では物理系、化学系、地質系など様々な研究分野に触れますが、そこで得た知識や考え方は研究に必要な「どうしてそうなるのか」を考え抜く支えになっています。こうした様々な分野に触れられることは、きっと皆さんの財産になると思います。