学部長・研究科長メッセージ

学部長・研究科長メッセージ

  • 理学部・理学研究科長 寺崎 一郎

我々、理学部・理学研究科は、世界屈指の研究大学を目指す名古屋大学において、その中核を担う部局の一つです。今世紀に入り、4名の名古屋大学理学関係者がノーベル賞を受賞しましたが、理学部・理学研究科は、自然科学分野における先進的かつ国際的な研究教育活動拠点として、国内外から高い評価を受けています。また理学部・理学研究科は、トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)や素粒子宇宙起源研究所(KMI)、高等研究院を統括する国際高等研究機構の母体となる一方、多元数理科学研究科や環境学研究科、宇宙地球環境研究所(ISEE)、物質科学国際研究センター、糖鎖生命コア研究所などの組織とも密に連携しており、大きな広がりをもつ組織です。

理学部は、数理学科、物理学科、化学科、生命理学科、地球惑星科学科の5学科から構成され、1学年の学生定員は270名です。十分な教養を身に着けた後に専門を決めるべきという遅い専門化(Latespecialization)の理念のもと、1年次には学科に分かれることなく全学教育を受けます。そして2年次から各学科に分属され、それぞれの分野の専門基礎を学びます。一方、大学院理学研究科は、これまでの素粒子宇宙物理学専攻、物質理学専攻(物理系ならびに化学系)、生命理学専攻を改組・統合し、2022年度から理学専攻として再出発します。そこでは14種類の最先端研究コースと柔軟な複数指導制を通じて、融合研究・学際研究を育む環境を整えています。理学専攻に加え、2016年に誕生した名古屋大学・エディンバラ大学国際連携理学専攻では、名古屋大学とエディンバラ大学が共同で出すジョイント・ディグリーと呼ばれる学位を取得することができます。理学研究科全体では、博士前期課程ならびに後期課程の1学年あたりの学生定員はそれぞれ188名および72名です。ここではそれぞれの分野の最先端研究の推進を基に、研究と教育が表裏一体となった活動が展開されています。学部・大学院を通じて留学生の受け入れと教育にも積極的で、名古屋大学のG30プログラムに参加しています。

理学部・理学研究科の誇りは、優秀な学生と世界トップレベルの研究者である教員、重厚な事務・支援組織、最先端の研究教育施設、そして名古屋大学の校風でもある自由闊達な風土と伝統です。学問を前にした自由闊達な議論は学生と教職員を一枚岩にして、これによって世界を驚かせる研究を生み出しています。このような研究活動に参加した理学部・理学研究科の卒業生・修了生は、その経験を活かし、自然科学関連分野の研究者や教育者、産業人はもとより、社会のさまざまな分野で活躍しています。

これから大学進学、大学院進学を考えている皆さん。自由で瑞々しい名古屋大学理学部・理学研究科で学び、自然界の真理探究に挑戦してみませんか。