理学部の教育

理学部の教育

名古屋大学理学部は、現代自然科学のすべての分野を網羅する規模を持ち、日本でも有数の施設、設備を備えています。数理学科、物理学科、化学科、生命理学科、地球惑星科学科の5学科からなり、関連の研究センターや研究所とともに、理学部の教育・研究を担当しています。

理学部学生は、1年次には学科に属さず、全学共通教育を受けます。数学や理科の基礎科目はもちろん、物事に対する考え方や議論の方法そのものを学ぶ専門リテラシー、人文社会系の教養科目、外国語など、高度知識人に相応しい教養を身につけます。1年終了時に、希望や成績などによって各学科への配属が決定されます。このようなやり方は名古屋大学理学部の大きな特長で、狭い専門に凝り固まった人材ではなく、総合的な視座から研究や社会をリードできる人材を育成するために、自然科学や人文科学の十分な素養がついた上で専門を選択させようというlate specializationの考え方に基づいています。

2年次以降は各学科に分かれて、より専門的な科目を受講します。少人数演習やセミナーも多く取り入れられ、また実験系では多くの時間が実習に費やされます。いずれの学科でも、最新の研究成果を取り入れた教育が行われています。他学科の講義も履修でき、自然科学の基礎知識をいっそう広げることもできます。4年生は各研究室へ配属され、これまで3年間の蓄積を実際の研究現場で活用しながら、卒業研究に取り組みます。自主的な学習・研究態度が求められます。

5学科とその入学定員

数理学科 55
物理学科 90
化学科 50
生命理学科 50
地球惑星科学科 25

3つの方針

卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

(1) 育成する人材像(教育目標)

理学部は、以下に示す資質・能力等を備え、卒業資格を満たした者に、卒業を認定し、学位を授与します。

  • 自然の理を解き明かそうとする探究心と独創的で柔軟な思考を有する
  • 基礎科学の研究をとおして、科学的素養を身に付け、社会の様々な分野で貢献することができる

(2) 卒業、修了判定時に課している基準(必要要件)

学位を取得するためには、入学後、本学部に4年以上在学し、履修要件として定めた所定の単位(数理学科138単位、物理学科132.5単位、化学科131.5単位、生命理学科132.5単位、地球惑星科学科133単位)以上を修得することが必要です。

教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

理学部は、自然への探究心を涵養し独創的で柔軟な思考力を育成するために、年次進行に沿って下記の方針を定めています。

  • 初年次教育は、基礎を学びながら自分の進みたい学科を選ぶ期間を設定しています。
  • 全学教育科目と1年次に配置されている専門基礎科目を受講することにより、数学や理科の基礎科目はもちろん、物事に対する考え方や議論の方法そのものを学ぶ専門リテラシー、人文社会系の教養科目、外国語など、高度知識人に相応しい教養を身につけます。
  • 1年次終了時に、希望や成績などによって各学科への配属が決定される学科分属制度を採用しています。この制度は、理学部の大きな特長で、総合的な視座から研究や社会をリードできる人材を育成しようとする考えに基づいています。
  • 2年次以降は、各学科に分かれて、専門基礎科目や専門科目により、基礎から専門的な講義までを体系的に受講します。演習を取り入れ、実験系では多くの時間を実習にあてて重点的な指導を行っています。いずれの学科でも最新の研究成果を取り入れた教育を行っています。加えて、他学科の講義も履修でき、自然科学の基礎知識を一層広げることができます。
  • 4年次には、さらに専門的な講義を実施するとともに、各研究室に配属されて、これまで3年間の蓄積を実際の研究現場で活用し、自主的な学習と研究による卒業研究に取り組みます。
  • 各科目の学習成果は、定期試験、レポート、セミナー発表など、シラバスで定める方法により評価します。
    これらのカリキュラムに適切に配置された科目を修得し、卒業研究に取り組むことにより、教育目標に掲げた資質・能力を兼ね備えた人材を育成します。

入学者受入れ・選抜の方針(アドミッション・ポリシー)

(1) 入学者受入れの方針

自然界を貫く真理の探究に挑むため、総合的な基礎学力に加えて理学の諸分野における幅広い教養と深い知識を持ち、チャレンジ精神と知的好奇心に満ちあふれた、瑞々しい創造力をもつ人を求めています。

(2) 選抜の基本方針

一般選抜
一般選抜では、大学入学共通テストにより総合的な基礎学力を測り、個別学力検査では「数学」「理科」「外国語」及び「国語」を課すことにより、理学の諸分野における教養の幅広さと知識の深さに加えて、読解力、表現力、論理的思考力を測ります。

学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す)
学校推薦型選抜では、大学入学共通テストにより総合的な基礎学力を測ると共に、提出書類により高校での学習成果や様々な活動への取組状況を、面接により理学に対するチャレンジ精神や知的好奇心、表現力、説明力を測ります。

私費外国人留学生入試
私費外国人留学生入試では、日本留学試験(日本語、理科、数学)および英語検定試験(TOEFL又はIELTS)、提出書類によって総合的な基礎学力を測ります。また、面接により理学の諸分野における教養の幅広さと知識の深さ、チャレンジ精神と知的好奇心、日本語能力、表現力、説明力を測ります。

国費外国人留学生・外国政府派遣留学生入試等
国費外国人留学生・外国政府派遣留学生入試等では、提出書類と面接にもとづいて総合的な基礎学力、理学の諸分野における知識の深さと日本語能力、理学に対する熱意、表現力、説明力を測ります。

G30

物理系プログラム 国際プログラム群学部学生入学試験では、一次審査(書類審査)および二次審査(面接審査)により、基礎学力、物理学および応用物理学における知識の深さと、理学に対する熱意、表現力、説明力等を測ります。
化学系プログラム 国際プログラム群学部学生入学試験では、一次審査(書類審査)および二次審査(面接審査)により、基礎学力および化学における知識の深さと、理学に対する熱意、表現力、説明力等を測ります。
生物系プログラム 国際プログラム群学部学生入学試験では、一次審査(書類審査)および二次審査(面接審査)により、基礎学力および生物学における知識の深さと、理学に対する熱意、表現力、説明力等を測ります。
  • 入学者選抜制度