物理学科

PHYSICS=物理は、江戸末期には哲学も含めて「窮理」とよばれていましたが、明治になって「物理学」という言葉が作られました。物理学とは「私たちをとりまく自然がどのようにできていて、そこではどのような現象がおきているのか?」を、観測と実験を拠りどころに調べて、その奥を貫く基本的法則=理(すじみちとことわり)を追求する分野です。現代の物理学は、極致の世界をあつかう素粒子物理と物質の相互作用をあつかう物性物理の二つの分野に大別できます。数学との境界には数理物理学があり、化学と物理の境界は重なり合い、物理学的な視点は、宇宙や生命の現象にまで拡がり発展し続けています。

物理学上の発見は工学面においても新しい技術の応用を生み、逆に工学的技術の発展が新しい物理学研究を可能にしています。物理学と隣接する諸科学との間には境界はもはや存在しないといった方が妥当でしょう。20世紀の物理学を代表する二つの精華「量子論」と「相対性理論」は、私たちの自然の認識に大変革をもたらしました。科学のみならず、哲学や思想の分野にも大きな衝撃を与えました。このように、自然の「もの」や「こと」を通して、物理学は理を窮め、人間の認識を拡げてきました。物理学は21世紀の今なお、私たちの前に新しい世界を繰り拡げ、汲めども尽きぬ自然の深さを示して感動を与えています。